発表内容は以下の通りです。
多文化共生チーム:『川崎市川崎区桜本町・池上町の住民らが共にふれあう「多文化共生」の場所としての「多文化キャンプ」の提案』 私たちのグループは、川崎市川崎区の桜本町と池上町の地域をフィールドとし、日本人を含め外国につながる住民らが共に交流できる場所を作りたいと思い、「多文化キャンプ」を提案したい。この地域の課題として、外国につながる住民(ニューカマーとオールドカマー)が多く住んでいるにも関わらず、彼らと日本人が交流できる場所がないということが挙げられる。したがって、私たちは非日常的な新しい交流の場であり、住民としてお互いを認識する機会を作られる場として「多文化キャンプ(まちキャン)」を提案する。町の中でキャンプをするという意味の「まちキャン」は、日本語が分からないニューカマーの外国人住民と、中々交流の機会がなかったオールドカマーの在日韓国・朝鮮人と、普通の日本人住民が共に参加し、協力し合う仕組みとなっている。これらの提案より、短期的には地域の住民がお互いを認識し、「多文化共生」への意識が高まっていき、中長期的には外国につながる住民の地域への所属感が高まっていくと期待できる。また、長期的には「まちキャン」が地域の定期的な行事として定着し、地域の住民の交流が活性化すると同時に地域経済の活性化にも貢献できると期待できる。そして最後に、波及効果として行事の開催領域が桜本町のみならず、池上町までに拡張していくことが期待できる。
観光チーム:
『生業×観光で考えるまちづくり(鎌倉)』 鎌倉にあるローカルな魅力を掘り起こし、地元の農家や鎌倉で活躍するシェフの活動の場や工芸など、鎌倉の日常から外国人観光客に向けてPRする仕組みを考えます。鎌倉の生業が培った工芸技術や食材を地元住民向けに加工した商品に注目します。外国人観光客の間でワード・オブ・マウスによって伝わることから、その拠点施設を立ち上げます。またアンケート調査によって分かったことは鎌倉にはあまり滞在せず、横浜に泊まる人が多いということです。このことから鎌倉の日常的な食を巡るツアープランとして既存の寺など有名なルートに加え、鎌倉のリアルなライフスタイルを体験してもらうことも考えています。今回主な敷地として提案する鎌倉農協連即売所は85年も前から存在し、鎌倉発祥の地で、日本で初のマルシェといわれる場所です。ここは農家が自立するために自らが販売する組織を作ろうという共同意識によって生まれました。地元の主体である農協連即売所をより観光客にも開くこと、地元の農家、シェフの交流の場となること、新たな仕事を創り出す場所を目指します。そしてここを拠点に商店会の店主や職人を巻き込みながら新たな企画とネットワークが、住民のまちづくり意識を醸成させ、鎌倉文化やそれを生み出す生業が持続する一助になれば良いと考えています。