第6回の本日は、横浜国立大学 都市イノベーション研究院の佐土原聡先生に「環境未来都市への道筋 ースマート社会の地域・都市づくりー」というタイトルで講義していただきました。
東日本大震災によって自然の脅威・地球環境問題についてより多くの人が関心を寄せるようになりました。地球環境問題はとても複雑でひとつの問題への対応が別の問題を引き起こすこともあります。大量のエネルギーを作り出すために化石燃料を使うと温暖化物質が発生し、気候変動の連鎖が起こってしまうのもひとつの例です。
これからの地域・都市づくりは、生活者の視点に立ったトータルのリスク低減が必要であり、そのために地球環境問題への緩和策(平常時:低炭素化)と災害への適応策(非常時:防災)を合わせたアプローチが求められています。
気候変動の緩和策として日常の省エネ・省CO2を実現するためには様々な段階があります。
エネルギー負荷の小さい都市構造や建築をつくったり、環境資源や自然エネルギーを活用して負担を減らしたり、地域冷暖房などによる高効率化によって消費量自体を減らしたり、環境負荷の小さい未利用・再生可能エネルギーへ転換したり、といった具合です。
地域冷暖房はみなとみらい地区で行われていたり、新横浜では建物間エネルギー融通が行われている施設もあります。海外に目を向けるとさらに先進的な事例も数多くあります。
地方の大規模発電施設から送られてくる電力に依存するのではなく、コージェネレーションのような分散型自立機能拠点のネットワークを形成し、電力依存の少ない熱源によるエネルギー供給システムも利用しながら、それぞれの地域で外部依存の少ない地産地消の未利用・再生可能エネルギーを利用していくことがスマート社会実現において大切です。
今はあまり行われていないエネルギーの面的利用マネジメントなど、地域という小さい単位でも行うべき地球環境防災策があるということを教えていただきました。
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