第10回の昨日は、横浜国立大学 都市イノベーション学府 Y-GSAの小嶋一浩先生に「Archi Aidの活動」について講義していただきました。
小嶋先生は、建築家として活動する一方、アーキエイドという東日本大震災における建築家による復興支援のネットワーク活動に参加しており、牡鹿半島支援活動に関わり、まさに最前線で地域創造を行っています。
復興計画では、いろいろな関係者が補助金ごとにそれぞれ提案をして絵を描きますが、誰も統合した絵を描きません。アーキエイドの役割は、住民にとってわけのわからなくなってしまっている複雑な計画案を、統合的な絵や模型を作ることを通して今起こっていることをわかりやすく説明し、住民の思いを聞き入れた対案を作って提示したりすることです。
小嶋先生のチームは石巻市の牡鹿半島で昨年夏から復興計画に関わっています。最初に5日間のサマーキャンプを行い、スタートしていきました。現地のキーマンにヒアリングに行って地域の意見を聞き、自身の専門家としての知識も取り入れながら計画を作っています。
提案する図面や絵はコンピュータ・グラフィックスを使わず、手書きの図面・絵、それから模型を使って地域の人に計画の提案をしています。手書きの方が年配の人たちにも理解させやすいそうです。
提案を実際の計画に取り入れてもらうためには、行政をはじめ土木関係者たちとも話をしなければなりません。最前線の人たちと話し合いを通して説得しても、制度的な壁は高く、決定を下す人たちまで話がいくとやはりNGということはあるそうです。
そのため、すべての技術的な問題をクリアするまで徹底的に図面・模型をつくって議論し、これなら実行しない理由はないというレベルまで作って説得するそうです。
話し合いという言葉のレベルではなく、図面・模型を通して説得するというのはとても建築家らしい実行力のある地域創造のやり方だという印象を受けました。
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