はじめまして。
お立ち寄りいただきありがとうございます。
本年度も横浜国立大学大学院では、10月01日より地域創造論が開講しました。
今年で3年目の授業になります。
このブログでは、各回の講義内容についての簡単な紹介をしていきたいと思います。
この授業は、前半において各研究院の教員により各専門の観点から地域における状況や課題を学び、後半では受講生がグループに分かれ、グループワークを行い、新しい地域創造に向けた提案を行っていきます。
【本日の内容】
本日は、高見沢先生から本講義の流れや目的についての説明があった後、「地域創造とはなにか」、「良い地域創造のためには、何が必要であるか」、「高見沢先生にとって、都市計画と災害とはなにか」という点についてお話がありました。
【地域創造とはなにか】
そして、そんな地域創造のためには、Bonding、Bridging、Linkingが必要です。Bondingとは、コミュニティ内部の結びつきを強化することです。Bridgingとは、異なる集団や個性を持ったもの同士をつなげることです。そして、そうやって生まれた構想や企画を実現するために必要なのが、Linking、つまり資金やノウハウを提供してくれる人と人とのコネクションです。
しかし、地域創造を考えるうえでは、常に「人々が住みたいと思えるような都市」、「人々が住んでいることに誇りを持てる都市」といったヴィジョンを忘れてはいけません。総じて、地域創造というものは、そうした「住みたいと思える都市をプロデュースする」ことなのです。そして「プロデュースする」とは、「企画、資金、プロセス、技術」を具体的に提案することにほかなりません。グループワークに取り組むみなさんは、こういった点を意識して提案を考えていけばいいのではないでしょうか。
【良い提案を考えるうえでのポイント】
先生の紹介によれば、『Happy City』という本の中に登場するある都市の事例では、「道路を歩行者の手に取り戻す」というただ一点に集中して、まちづくりを行った結果、その波及効果として、「犯罪は減るし、みんな公共交通機関に乗り換えた結果として、CO2排出の削減にも貢献できた」という成果があがったそうです(詳しくは、高見沢先生のブログへ
http://d.hatena.ne.jp/tkmzoo/)。このように、とかく「総合的なソリューションを考える」というと、「いろいろな専門的な知識を集結しなければ…」と考えがちですが、意外とそういうシンプルな視点に立ってみても、好循環のストーリーを描くことはできるのです。
【災害と都市計画】
日本という国は、地震や台風、火山の噴火、大規模火災などさまざまな災害に見舞われる「災害の国」ですが、都市計画による対策だけでは限界も存在します。
例えば、過去に都市計画によって防災対策を施された地域は、今度同じ災害が起こっても大丈夫だけど、そうでない所は被害が甚大になるということがあります。「災害は弱者を襲う」のです。また、仮に命だけは助かったとしても、今度は生活を再建するための職がなかったり、避難先の生活に馴染めなかったり…、という新たな問題が次々と生じてきます。こうした現状に我々は対処していかなければならないのです。
本日の内容は以上となります。
長文に目を通していただいてどうもありがとうございました。今学期の最後までとなりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
山川博彰
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