11月28日(月)は第8回の地域創造論で工学研究院の丸尾昭二先生から、3Dプリンターが拓く次世代ものづくりというタイトルで講義をしていただきました。
3Dプリンティング技術は、いくつかの方式があり、造形物の素材や精度で使い分けされます。また、製品作りができる精度のある3Dプリンティング技術を以前の試作製造(Rapid Prototyping)とは分け、Additive manufacturingと呼びます。Additive manufacturingの役割は、①複雑形状・軽量なデザインによる高付加価値製品、②分散型生産システム、③個人ニーズにきめ細かく対応するオーダーメイド多品種・少量生産があります。これにより大量生産・大量消費から多品種・少量生産による豊かなエコ生活とライフスタイルが変わる第4次産業革命が起きるとドイツが提唱しています。
製造方式と産業の変化をうまく捉え、ビジネスに展開することで地域創造にもつなげることができます。椅子の製造販売をケーススタディにして地域の生産性を高める方法を考えてみます。椅子の製造段階では、荷重の形状最適化で3Dモデリングをすることにより人間が想像できなかったようなデザインと材料の節約をすることができます。また、客の要望を聞きながらネット上でデータのやり取りや、廉価な機種もある熱溶解積層方式の機器などを使用してスタディをしながら理想の椅子を共創することができます。販売段階では、ネット上で商品を紹介し、市場の反応から予算を決定しクラウドファンディングで資金を調達し高精度の造形機器を保有する業者に発注することで在庫を抱えるリスクを抑えることができます。これにより、個人でもアイディアさえあればビジネスを展開することができるため、場所のしがらみが軽減されます。
地域内で活動する人のハードルを下ることでまちづくりの企画が立てやすくした後は、Fablabやディアボスティーニの意見交換サイトなどを参考にプラットフォームを作り、ボランタリー経済や、贈与経済などを意識して持続可能な運営を行うことで地域創造を行うことができます。
実際に横浜国立大学でも、産官学連携組織を作りオープンイノベーションの取り組みを行っています。神奈川産業教育センターには丸尾先生が研究されている光造形方式のプリンターを設置し最先端の技術を使い製品づくりの機会を地域の方に提供しています。
本日は以上です。
次回は12月5日(月)で、グループワークとなります。
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