12月12日(月)は第10回地域創造論で、都市イノベーション学府の野原卓先生から、「ファブ・クリエイティブ都市論」というタイトルで、日本の工業都市空間の変遷から、現在先生が取り組まれている活動も含めたものづくりのまちづくりの新潮流について講義をしていただきました。
近代都市計画は産業革命に伴う都市問題を回避することを主眼とされ、モノの生産と消費を意図的に乖離させました。第二次産業はより賃金の安い場所に移転する傾向となり、国内からも離れるようになりました。その結果、特に地方都市においては職と雇用がなくなり、大きな衰退の原因となっています。モノとまちの関係を再構築する必要あります。
工業都市に関する課題の解決策として創造都市という考え方が1970年代以降世界的に注目されています。創造産業の生産性や文化芸術によるアメニティ向上に注目したこの考え方は極度にスラム化した西洋の都市においてはとても有効な考え方です。しかし、職人の技術力があり第二次産業が西洋ほど弱体化していない日本においては、工業と創造産業のハイブリット構造を構築することが重要です。
野原先生は現在大田区を対象におおたクリエイティブタウン構想を掲げ、新技術を有するベンチャー企業を含めたものづくり企業のネットワーク構築に取り組んでいます。拠点同士が協力し、魅力を高め合うことで、面開発をせずとも産業振興・空間づくりを行うことができ、縮小社会において望ましいまちづくり手法と言えます。
次回は12月19日(月)で、中間発表となります。
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