2013年11月9日土曜日

【第5回 震災復興のデザイン (雄勝町における復興まちづくり‐仮設住宅、復興ビジョン‐)】

こんにちは^^


11月6日の講義では


「震災復興のデザイン」について
 
東北大学大学院工学研究科都市・建築学専攻の

土岐文野先生にお越しいただき、宮城県石巻市雄勝地区の復興について特に講義をしていただきました。

先生はプロジェクトに1年後から大きくかかわるようになったようです。




大事なこととしては、

1.組織体制がないと復興が進まない。
2.浜の再生
3.コミュニティの再生
 
があげられました。

1.組織体制がないと復興が進まない。

組織体制が重要。
 
どの範囲を担当するか、何を担当するか、などさまざまな事業団体がばらばらに復興を進め行かないよう
 
に、体制を整備していかないといけない、組織体制をしっかりしていかないと復興が進んでいかない。
 
そういう実感があるとおっしゃられていました。
 


2.浜の再生

河北・雄勝地区 雄勝半島

この地区は、津波の浸水した地域は急斜面になっているところ以外の世帯はほぼすべて流されてしまった。

また、復興に当たって、この場所は仮設住宅が浜のすぐ近くにできているところが珍しいということでした
 
が、以下の三つの再生をどう行っていくかが課題になっているようです。
 
 

・生業の再生  災害復興事業

・間の再生 漁業集落防災機能強化事業

・住まいの再生 防災集団移転促進事業

 

以下メモ的な感じになりますが、
 
・生業の再生に関して
-地盤の沈下を直す。
  -防潮堤 最大クラスの波に対しては住居を守る。 通常の波に対しては生業も守る。

   -雄勝地区では海抜から8mの防潮堤を建てる
   →海の様子を見ながら漁などの生活していたので、見えず困りそう。でもまた津波が着たら困る。。
    という住民の思い。しかしながら、宮城県ではもう作ることを決めている。

  -津波が来ないところに集団移転させる。海抜20m以上のところに移転。
   →自分たちの身は守るから海の近くで。というのはこの地域では行ってはいけないということに。
   

 
・住まいの再生に関して
 
  -集落の作り方
     →半年間の土木コンサルタント(土地の強度等から地盤を造ることに強い)、
     大学建築側(コミュニティーや人の動きに関して強い)とのやり取りの間に、
     どんどんここに住む人が減り続ける。
     森を切り開いて作るとなると、2年かかるならば違うところに行くという人も出てくる。

   Q当初の予定よりどれぐらい減ってしまうものなのですか?又増えたりもするのですか?

    →まず618世帯から1年目は100世帯に減ったそこから2年目は58世帯に減った。

   -時期について…それぞれの浜で同じようなことが繰り広げられているが、
          地盤の硬さ等も影響して終わりがバラバラということがあります。

 

  -復興公営住宅(9割)自力再建住宅(1割)高齢者が多いため自分でよりも公営を購入する人が多い。

 

  -雄勝の伝統的な住宅
      ------------------
      │                     │        │
    │ 座敷 │  おかみ │ 茶の間 
    │    │     │     │ 
     ------------------
      │                                 │                │
      │             縁側          玄関  
      ------------------
                         略式平面図 
 
    ・特徴
   二間続きの部屋。漁師さん達なので神様を崇めている。

   結婚式もできるということもあり、ふすまで部屋が間仕切られ、大きく使うことも可。
   座敷、おかみ、茶の間を繋げて使ったり。などなど特徴がある暮らしをしているが、

         しかし 復興公営住宅で考えていたもの、

       単身者1LDK

       二人、2LDK

       三人以上3LDK


       のようなよくある団地のような間取り。
       
 
       これでは町の人の使い方に合っていないので、話し合いが行われて、

       伝統的な住宅に近いような住宅のプランにしていく予定。

   -これからの暮らし
   河北の都市部618世帯→58世帯に減少 人口10分の1に減っている。漁業を生業とする人以外は出て行   
   った方がいいと判断した。

     15年後58世帯から38世帯ぐらいになってしまうのでは…

   集落を統合しよう。どこへ?中心部だと思っている人が多かったところへ統合しようという動き。そ
   
   うすればばらばらで暮らしているときよりもよいのでは。

 

↑ここまではどちらかといえばハード面の話

------------------------

↓ここからソフト面の話

 

3.コミュニティの再生

今まで、震災前も、それぞれの地域で、食文化も違う、性格も違う、独立してやってきた歴史がある。

ネットワーク化できないかといううごきがある。

雄勝生活研究所を作ってネットワーク化。空き家を宿泊施設に。

 

 -雄勝スターズ (雄勝生活研究所を主に進めているメンバー)すごく盛り上がっているらしい。

  ・お母さんたちが集まって浜でそれぞれ違うレシピを持ち寄って新しいレシピを。

  ・綺麗にアレンジして若い人たちでも交流できるように料理の提供。

   給食に出したりできないかという話をしているところ。  

 

 -ナミイタラボ

  採石場石を切り崩している場所。今は使われていなけど。

  それをもう一度やってみる。

  東京か若い人達が来ているので、ナミイタ・ラボをつくって東京と交流できる機会を造っている。石を
  
  使ってアクセサリーを作ってみたり。

  今後は実際に来てもらって体験を売っていく。地元にお金が落ちて行く仕組みを考える。

 

 -集会所

  宿泊施設にもなれるように工夫されている。

  それぞれの浜にできる予定なので、空き家や集会所を使いながら、高齢化にも対応を考える。

 
 

Q間の復興はどのようになっていますか?

土を盛ってかさ上げすることぐらいしかできない。

か、市が買い取ることになっている。更地をどうするか決まっていないのが問題。

 

Q事業の重なり、縦割りで困難な部分は?

情報共有が難しい。。住民の方々への情報共有もそれぞれなので全体像がなかなか示されない。

 
政府によってどこが全体をリードしていくかという部分が任される人がおらず、プロジェクトマネージャーを置くべきだった。
それぞれの事業を統括するようなプロジェクトマネージャー。


*Qは質問


今回はメモのような形にしてみました。

土岐先生のお話を聞いていて、横断的にプロジェクトにかかわる人の必要性を、とても感じました。

また、いたるところでの調整に時間がすごいかかると同時に、それを待つ時間はない人々の様子も、気にかかりました。

今日はここまで。



ご覧頂きありがとうございます。



岩崎俊貴




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