2017年10月16日月曜日

2017.10.16
国際社会科学研究院 小池治
「里山の保全と活用」 ~神奈川の取組を中心に~

          

 
神奈川県における里山は、宅地やゴルフ場開発による都市化によって非常に少なくなりつつあり、神奈川県では20地区の保全対象地域が選定され、里地里山の生態系の保全を始め、収穫イベントや体験学習などが行われています。

 横浜国立大学においても、2015-2016年度にかけて「里地里山の保全効果」に関する学際的研究を行い、健康・人材育成・景観・地域経済等に関する研究を行い、神奈川県に政策提案をしました。

 日本における里山保全活動は、環境省やユネスコとの連携のもと「SATOYAMAイニシアティブ」として世界にも発信されています。

 「SATOYAMA」は、「ローカルからの発想が、日本を変える、世界を変える。」にぴったりなテーマですね。


参考情報サイト:
横浜国立大学による「里地里山の保全効果」に関する学際的研究の概要版
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/576670.pdf

●横浜国立大学における「かながわ里山探検隊」の活動の様子
http://ynusatoyama.wpblog.jp/?page_id=12 


2017年度 地域創造論「オリエンテーション」

今年度で6年目を迎える「地域創造論」が10月9日に始まりました。

この授業は、大学院の副専攻プログラム「地域創造科目」の
コア科目として位置づけているものです。

今年度のテーマは、2015年度から引き続いて
「ローカルからの発想が、日本を変える、世界を変える。」です。

そして、本テーマの3カ年の講義をおさめた総集編として、
年度末にはブックレットが発行される予定です。
(多くの方にご覧頂けるよう、電子媒体による無償ダウンロード形式です。)

当サイトでは各回の講義の様子を「ほんの少し」だけご紹介します。
詳しい内容はブックレットの発行までぜひお待ち下さい。


どうぞお楽しみに。

2017年2月1日水曜日

地域創造論2016年度 最終発表

1月30日(月)は地域創造論の最終発表を行いました。

発表内容は以下の通りです。

多文化共生チーム:『川崎市川崎区桜本町・池上町の住民らが共にふれあう「多文化共生」の場所としての「多文化キャンプ」の提案』 私たちのグループは、川崎市川崎区の桜本町と池上町の地域をフィールドとし、日本人を含め外国につながる住民らが共に交流できる場所を作りたいと思い、「多文化キャンプ」を提案したい。この地域の課題として、外国につながる住民(ニューカマーとオールドカマー)が多く住んでいるにも関わらず、彼らと日本人が交流できる場所がないということが挙げられる。したがって、私たちは非日常的な新しい交流の場であり、住民としてお互いを認識する機会を作られる場として「多文化キャンプ(まちキャン)」を提案する。町の中でキャンプをするという意味の「まちキャン」は、日本語が分からないニューカマーの外国人住民と、中々交流の機会がなかったオールドカマーの在日韓国・朝鮮人と、普通の日本人住民が共に参加し、協力し合う仕組みとなっている。これらの提案より、短期的には地域の住民がお互いを認識し、「多文化共生」への意識が高まっていき、中長期的には外国につながる住民の地域への所属感が高まっていくと期待できる。また、長期的には「まちキャン」が地域の定期的な行事として定着し、地域の住民の交流が活性化すると同時に地域経済の活性化にも貢献できると期待できる。そして最後に、波及効果として行事の開催領域が桜本町のみならず、池上町までに拡張していくことが期待できる。
 

エリアマネジメントチーム:『ローカルエネルギーの地産地消による次世代地域づくり 湯河原町におけるケーススタディ』 湯河原では、観光業の衰退や神奈川県でもトップクラスの高齢化が発生している。私たちは地域を網羅するように張り巡らされた町営の共同給湯管と温泉が余剰していることに着目し、温泉をエネルギーとして利用することによる地域の活性化策を提案する。現在、多くの旅館が撤退している市街地周辺エリアでは、既存街区内の未接道の土地を、土地に接する住宅のための温泉エネルギー設備(熱交換器)とコモンスペースとして整備することで、高齢化社会に対応したハード整備とコミュニティ醸成を図りながら、市街地整備を進める。また、公共施設の建て替えが迫っていることに着目し、建て替えに合わせてバイナリー発電を一体的に整備することで、非常時の防災性の高い地域拠点整備を図る。さらに地域内では、温泉街と交通拠点、観光資源の距離が離れている点を改善するため、バイナリー発電によるEV(電気自動車)を導入し、スローツーリズムの推進を図る。ローカルなエネルギーを地域内で活用することで、その地域ならではの暮らしや営みを生み出していく提案を行った。 
 

若者自立支援チーム:『有給別荘から始めるスローコミュニティ in Hayama(葉山)』 働きたいけども不安な若者達を対象に葉山町の有休別荘を拠点として共同生活を送りながら就農・就漁プログラムを実施することで、葉山特有の別荘文化を継承しながら若者自立支援と1次産業の活性化を図る提案。都会で忙しく働くよりも、地方の小さなまちのコミュニティに入りのんびり暮らす方が向いていると思われる若者を呼び込む。プログラム毎の違いなどから緩やかにコミュニティが変化していく生活をとおして、業務スキルの習得や、ライフスタイルの適正判断をする機会を与えるというもの。所有者の高齢化によって管理が困難となった有休別荘を改修し、参加者の共同生活の場として再活用する。改修費は所有者が負担するが、家賃収入及び入居者が育てた地域作物、別荘の空き室貸出による収入などを収益として得ることができる。就農支援と別荘活用という二つの側面を総合的にマネジメントするための事業体をつくり運営していく。プログラム終了後は空き家活用事業を並行して行い参加者の定住機会を提供することで葉山での継続的な暮らしを支える。



観光チーム:
『生業×観光で考えるまちづくり(鎌倉)』 鎌倉にあるローカルな魅力を掘り起こし、地元の農家や鎌倉で活躍するシェフの活動の場や工芸など、鎌倉の日常から外国人観光客に向けてPRする仕組みを考えます。鎌倉の生業が培った工芸技術や食材を地元住民向けに加工した商品に注目します。外国人観光客の間でワード・オブ・マウスによって伝わることから、その拠点施設を立ち上げます。またアンケート調査によって分かったことは鎌倉にはあまり滞在せず、横浜に泊まる人が多いということです。このことから鎌倉の日常的な食を巡るツアープランとして既存の寺など有名なルートに加え、鎌倉のリアルなライフスタイルを体験してもらうことも考えています。今回主な敷地として提案する鎌倉農協連即売所は85年も前から存在し、鎌倉発祥の地で、日本で初のマルシェといわれる場所です。ここは農家が自立するために自らが販売する組織を作ろうという共同意識によって生まれました。地元の主体である農協連即売所をより観光客にも開くこと、地元の農家、シェフの交流の場となること、新たな仕事を創り出す場所を目指します。そしてここを拠点に商店会の店主や職人を巻き込みながら新たな企画とネットワークが、住民のまちづくり意識を醸成させ、鎌倉文化やそれを生み出す生業が持続する一助になれば良いと考えています。

2017年1月16日月曜日

地域創造論 最終提案に関する提出物について


最終提案に関する提出物についてご報告します。

(1)提出物
1.提案発表内容の要約
文字数:450字 + 提案の特徴をまとめたppt1枚(写真・図)
用紙サイズ:A4サイズ
提出日:発表当日(1/30)の朝まで
提出先:chiki-ct@ynu.ac.jp
(遅れる場合は25部印刷し、授業開始直前に現地で配布)

2.パワーポイント
提出日:発表当日の授業開始直前

3.個人レポート
内容:提案に自身の専門知識を活かしたこと(貢献したこと)
提出日:2月10日(金)
用紙サイズ:A4サイズ(1枚にまとめる)
提出先:地域実践センター:志村 chiki-ct@ynu.ac.jp

2016年12月26日月曜日

地域創造論2016年度 第11回 中間発表

1219()は第12回の地域創造論は中間発表をおこないました。

発表内容は以下の通りです。

■商店街と情報化(鎌倉)
 鎌倉界隈の商店街など有名観光地ではないローカルな魅力を掘り起こし、外国人観光客に向けてPRする仕組みを考えます。鎌倉観光の商品として確立していない、鎌倉の生業が培った工芸技術や食材を地元住人向けに加工した商品に注目します。こういった情報は、留学生の間では普段ワード・オブ・マウスで伝わることが多いようで、その構造を分析しつつ、年末に行う現地でのアンケート調査をもとにマーケティング手法を考えます。またアンケート調査では日本での滞在期間や鎌倉での宿泊の有無も合わせて調査し、結果によって、古民家のゲストハウスやツアープランをプログラムとして加え、鎌倉のリアルなライフスタイルを追体験してもらうことも考えています。そういったプロジェクトを商店会など地元の主体を把握しながら店主や職人を巻き込み企画することで、住民のまちづくり意識を醸成させ、鎌倉文化やそれを生み出す生業が持続する一助になれば良いと考えています。
 






■遊休別荘地をスローコミュニティーに(葉山)
 葉山町、逗子市エリアで若いフリーターを対象に就農・就漁プログラムを実施し、若者自立支援と1次産業活性化を行います。都会で忙しく働くよりも、地方の小さなまちのコミュニティに入りのんびり暮らす方が向いていると思われる若者に、地方でのインターンに参加してもらい、業務スキルの習得、ライフスタイルの適正判断をする機会を与えるというものです。農業・漁業の年間の繁忙期の違いからスケジューリングを行い、複数の協力主体とコミュニケーションをしてもらいます。また、滞在場所は葉山の別荘で、オーナーがいない期間に滞在します。収支についてはインターンで得た物資も含めた給料から別荘使用料とマネジメント組織の運営費を捻出できればと考えています。また、空き家活用事業を並行して行い、プログラム修了後の定住機会も提供したいと思います。
 






■元高級温泉地再生(湯河原)
 提案対象地の湯河原は万葉集から語られる歴史ある温泉街で、中世から湯治場としても親しまれてきました。高度経済成長期には町営のお湯の循環システムが整備されています。しかしバブル崩壊以降観光市場が減る中、高級路線を変えなかった旅館が多くあったことが拍車をかけて温泉街湯河原は衰退しました。高齢化率も神奈川県で二番目に高く、2040年には老齢人口が生産年齢人口を超えると予測されています。そこで提案では、温泉の観光資源を生かしてインバウンドを増やすことと、高齢者の地域ケアを複合的に行うマネジメントの仕組みを考えたいと思います。特に湯治文化を生かして都心の生活に疲れた人に向けた中長期の観光プランを考えます。近距離に集まる公園、自然、旅館の魅力を高め、お湯の循環システムをPRしながらそれをつなぐモビリティの充実、地元高齢者の関与の方法を検討したいと思います。
 






■多文化共生とキャンプ(川崎)
 キャンプを通した多文化共生の提案を行います。高度経済成長期に京浜工業地帯の工場で働く労働力として多くの外国人が住み始め、自治体としても先進的に多文化共生の取り組みを行なっている川崎市を対象にします。特にケーススタディとして池上町と桜本を調べています。公的な多文化共生の施設として児童向けにはふれあい館と隣接する桜小学校、高齢者向けには憩いの家があります。ヒアリング調査に協力いただいた桜本の憩いの家ではチラシを作成し精力的に広報を行なっていますが、外国人の参加率は低いのが現状です。また中間層の交流機会が少ないことが課題としてあります。そこで提案では広報の仕方を工夫し、取り組みの認知度を高めることと、交流の質を高めるため新しいコンテンツとして、児童と中間層をターゲットにしたキャンプを提案します。キャンプは二種類あり、一つは長期休暇を利用した山村でのサバイバルキャンプです。もう一つは、気軽に参加でき、防犯訓練も兼ねたキャンプを桜本界隈で行います。密度の濃い交流とそれを日常に定着させる方法、また活動を持続するためどういった行事や地域性と絡め、協力者を作るのかを今後検討します。







本日は以上です。

次回以降は1月30日(金)の最終発表まで、グループワークとなります。

2016年12月17日土曜日

地域創造論2016年度 第10回「ファブ・クリエイティブ都市論」

 12月12日(月)は第10回地域創造論で、都市イノベーション学府の野原卓先生から、「ファブ・クリエイティブ都市論」というタイトルで、日本の工業都市空間の変遷から、現在先生が取り組まれている活動も含めたものづくりのまちづくりの新潮流について講義をしていただきました。

近代都市計画は産業革命に伴う都市問題を回避することを主眼とされ、モノの生産と消費を意図的に乖離させました。第二次産業はより賃金の安い場所に移転する傾向となり、国内からも離れるようになりました。その結果、特に地方都市においては職と雇用がなくなり、大きな衰退の原因となっています。モノとまちの関係を再構築する必要あります。
 工業都市に関する課題の解決策として創造都市という考え方が1970年代以降世界的に注目されています。創造産業の生産性や文化芸術によるアメニティ向上に注目したこの考え方は極度にスラム化した西洋の都市においてはとても有効な考え方です。しかし、職人の技術力があり第二次産業が西洋ほど弱体化していない日本においては、工業と創造産業のハイブリット構造を構築することが重要です。
 野原先生は現在大田区を対象におおたクリエイティブタウン構想を掲げ、新技術を有するベンチャー企業を含めたものづくり企業のネットワーク構築に取り組んでいます。拠点同士が協力し、魅力を高め合うことで、面開発をせずとも産業振興・空間づくりを行うことができ、縮小社会において望ましいまちづくり手法と言えます。

 今回は以上です。

次回は1219()で、中間発表となります。

2016年12月8日木曜日

地域創造論2016年度 第09回グループワーク

125日は第九回地域創造論で、グループワークを行いました。
各グループでディスカッションをした後、進捗と中間発表までのスケジュールについて3分間の発表をしました。

発表内容は以下の通りです。

■多文化共生チーム
多文化共生の取り組みが活発な川崎を対象に各自情報収集を行なってきました。今回はその情報共有と、留学生が多いグループということで、多文化共生の日本的な意味についてすり合わせを行いました。多文化共生の取り組みは教育、雇用、保育など多岐にわたるテーマがあるため、中間発表までに現地調査を含めさらに情報収集を行い、テーマを一つに絞ります。

■観光グループ
鎌倉を対象に観光とまちづくりをつなげるような提案を行う予定です。特に江ノ電沿線のローカル情報を見える化し、外国人のインバウンドを増やす仕組みづくりに挑戦したいと考えています。今回は留学生が実際にどのようにして観光情報を得ているのかを共有しました。中間発表までに現地調査と身近な外国人へのアンケート調査を行おうと思います。

■エリアマネジメントグループ
対象地の選定と対象地に関する文献調査を行ってきました。グループ内では高齢化、旅行に興味がある人が多かったため、高齢化率が高く有名な観光資源もある湯河原を対象にしています。湯河原で観光資源に注目した場合、高齢化以外にも廃業した温泉旅館の空き家問題も重要であるとわかったため、それに関する文献調査もさらに行います。また、今週末には現地にも足を運びたいと考えています。

■若者支援グループ
二十代前半のフリーターを対象にした提案を考えています。働く意思のある人が正社員になるサポートの仕組みを考えていて、農業や漁業などと絡めたジョブトレーニングについて検討しています。今後は具体的な事例のケーススタディとしてパソナの神奈川県内の取り組みを調べたいと思います。

今回は以上です。


次回は1212()で、都市イノベーション学府の野原卓先生から、「『町工場のもつ最先端技術と職人のワザが地域を変える』観点から新しいまちづくりの可能性」について講義をしていただきます。